農家の戸別売上、農業従事者と平均年齢の推移、その対策について
農家の廃業が続き、年々減り続けています。まずは現状を把握することで、農業にまつわる課題にどう向き合っていけばいいのかを考えていきます。
農家の現状
政府が出している統計データを見ていきます。
2020年農林業センサス報告書
農林業センサス(2020年, e-stat.go.jp)
農家の年間売上
農業の売上別に、農家事業者の数をグラフに表したものです。
農家の5割が年間売上100万円未満です。
さらには、農家の8割が売上500万円未満です。
農業だけでは「食えない」ので、兼業している人が農家の大半だという実情があります。
農家戸数
こうした状況なので、実際農家は減り続けています。
2000年から2020年の20年間で半数以下まで減ってしまっています。
農家平均年齢
農業の担い手についても大きな課題があります。
平均年齢ですが、農業を本業にされている方の平均年齢は年々上昇しており、2020年でなんと67.8歳になっています。
家族や手伝いなどで農業に従事している人の平均年齢も上昇していて、60歳を超えてきています。
対策
悲観的な状況でもありますが、一方で農業に前向きな若い人が、独自の工夫で売上を伸ばしているという事実もあります。 有機野菜や果物をつくってメディアに取り上げられることも皆さん目にしたことがあるかもしれません。
生産性を上げるアプローチ
農地を維持するためには、「土地生産性」と「労働生産性」を上げることが不可欠だと考えています。
いろいろなアプローチがあると思いますが、 土地の集約して、規模の経済で単位面積当たりのコストを下げる方法。
より高単価な作物に転作する方法。
農協に出荷するだけではなく、オンラインを介した直売や、加工するなどして独自の付加価値を上げるなど経営的な視点で農業を捉え直すという方法
IoT、ドローンなどの先進技術や設備を使うことで、自動化や省力で効率を上げる方法。
農業法人でより「利益」「効率」にフォーカスする
農業法人を立ち上げることで実行が可能。
後継者がいなかったり、廃業を考えている零細農家から土地を借り受け、そこで高効率に精算し、売上を上げる。
また、新規就農を考えている個人や法人に対しても、農地の貸出やノウハウの提供を行なう。
「消極的」と「積極的」の二極化と、後者への転換
農家というのは二極化が進んでいると考えます。
独自の強みを見出して売上を伸ばしている積極的な農家と、
昔からのやりかたで何となく続けている消極的な農家の2つです。
消極的に運用されている農地を、より稼げるポジティブな農業に転換していく必要があると考えています。