2021-11-22 投稿

なぜ大人は、二言目には相手の職業を聞くのか

子どもの頃、大人同士の初対面の会話を聞いているときに、二言目には「お仕事は何をされているんでしょうか?」という質問をしている場面に出会った。

その様子を見て、子どもの私は「なぜそんなに仕事が重要なのだろうか?」と感じていた。 いや、もちろん仕事は大切なんだろうけど、当時の私にとっては唐突な感じがしていた。仕事のことを聞く前に、もっと相手自身のことについて他に聞くことがあるだろう、と。仕事はその人自身ではなく、その人の行為の対象なのに。

「大人にとって仕事はその人の社会的な役割を表すもので、とても大切なものだから」と今の私なら答える。それに、仕事から質問していったほうが話を膨らませやすいということもある。

仕事とは

人によって仕事に対する考え方はいろいろある。

  • 生活のための手段
  • 社会的な役割
  • 人生の意義
  • 自己実現や他者貢献

などなど。 とはいえ、全ての仕事に共通することとして、 「自分の特性や能力を活かし、他者や自分が属する社会の幸福に貢献すること」 は言えると思う。

仕事というのは、基本的に「他人」や「社会」と関係がある。 自分一人で完結することは無いと言って良い。個人でやるにしても取引先や得意先との関係はついてまわる。何かしら他人と関わることになる。 社会の一員としてその役割を果たす必要がある。だから仕事は「社会的存在」である「人間」にとって重要な意味を持つ。

仕事の選び方

子供の頃、自分の将来の仕事についてあまり具体的に考えたことがなかった。 そこで、仕事の選び方のポイントを書いておく。

  • 個人の能力を発揮できるか?
  • 社会的な役割を果たせるか?
  • 夢や目的を追求できるか?
  • 収入は充分に安定して得られるか?

この4つの質問は、さらに前半2つと後半2つに分けられる。 前半は個人か社会か、後半は理想か現実か。 職業を考える上で、これらのポイントを押さえて考えておくと良いと思う。

個人か社会か

関心が自分自身に向きやすいか、他人や自分が属する社会に興味が向くかによる。

個人の能力を発揮できるか?(個人志向)

自分の得意なことや好きなことを仕事にしたいと考える。
絵を描くのが好きだからイラストレーター、子供が好きだから保育士といったところだ。

社会的な役割を果たせるか?(社会志向)

社会の役に立ちたい、社会の問題を解決したいと考える。
授業やテレビなどで学んだ社会問題からそのような学問を目指すようになったり、 印象に残った大人(医師、看護師、教師、警察官など)を自分も目指すといったところである。

理想か現実か

夢はでっかく!タイプか、真面目にコツコツが一番タイプか。

夢や目的を追求できるか?(理想志向)

リスクや苦労があっても、大きな目標を達成したいと考える。
スポーツ選手やアイドル活動など夢に向かって本気で取り組んだり、お金や影響力をもちたいからと(動機はともあれ)起業を志すなど。

収入は充分に安定して得られるか?(現実志向)

確実に堅実に生きたいと考える。
リスクはなるべく避け、確実に安定した生活をするために職業を選択する。 公務員、大企業など身分の安定した職業や、士業などの手に職をつけることを志向する。

分類してみた

fig1

あくまで私個人の感覚による分類なので、ご了承いただきたい。
この分類は職業選択を考えやすくするためのもので、現実寄りの職業だからといって夢を追えないわけではないし、 個人志向だからといって社会に還元しないというわけではないことを言い添えておきたい。