ロシアのウクライナ侵攻から遡って学ぶ世界史
2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事作戦を決行し、ウクライナ全土に攻撃を仕掛けた。なぜこのようなことが起こってしまったのか。
ロシアのウクライナ侵攻から逆算する世界史
ロシアのウクライナ侵攻
2022年2月、ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部地域に住むロシア人を救うという大義名分のもと、ウクライナ全土に攻撃をしかけた。
侵攻開始の前日、ロシアは一方的にウクライナ東部にあるドネツク、ルガンスクを独立承認を認めたが、その地域にとどまらず、ウクライナの首都であるキエフをはじめほかの主要都市にも空爆などの攻撃を行い、 軍事施設を破壊したうえ民間人にも死傷者を出した。
世界の緊張が高まり、諸外国がロシアに反撃すれば、さらにエスカレートし世界大戦にも発展しかねない状態になった。 直前の日曜日まで冬季北京オリンピックムードであったが、その数日後にはニュースが軍事侵攻でうめつくされるという異常な変わりぶりだった。
NATOとロシア(旧ソ連)の対立
ウクライナが欧米諸国で構成されるNATOに加入しようとしたところ、 国境を隣接するプーチンがウクライナのNATO入りは「最後の緩衝地帯」を失うため国家安全保障の危機だとし拡大を阻止しようとして侵略を始めた。
プーチンの言い分によると、第二次世界大戦集結後、NATO結成時に東方に拡大はしないとの約束をしたが、それを度々破ったとのことだ。 エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国は旧ソ連の構成国であったにもかかわらず、NATO加入を果たしている。
加えてウクライナもNATO加盟しようとしたため、これ以上の拡大は許すことができないとの考えを強く持っていたようである。
ソビエト連邦崩壊
ウクライナはロシアと共に旧ソビエト連邦を形成していた国家であり、ロシア系住民も多く関係性も強い。 1991年に崩壊して以降、NAT0は東方に領域を拡大していき、そこには旧ソ連国家もあった。
第二次世界大戦
日本の北方領土問題
日本とロシアの領土問題である北方領土がある。第二次世界大戦終結直前に、ロシアが日ソ中立条約を破り北方領土を侵攻した。 ロシアは侵攻により手に入れた領域であるが、日本としては中立条約を破ったため不当な侵略とする。
また日本は敗戦時に、千島列島の放棄をおこなったが、その千島列島に北方四島が含まれている・いないでロシアと揉めている。 日本としては択捉島の北東に位置するウルップ島以北とするのに対し、ロシアは択捉島など北方領土四島を含めて千島列島だとし、 その領有権を主張している。
今回のウクライナ侵攻により、ロシアとしては筋が通っていなくとも自作自演で他国の領土を自国のものだとすることが判明した。 北方領土問題にも毅然とした態度で臨まなければいけないということが明白になった。