2023-10-10 投稿

2023第3四半期に読んだ本の紹介

GIVE&TAKE 「与える人」ほど成功する時代(おすすめ:★★)

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

テイカー(Taker)、ギバー(Giver)、マッチャー(Matcher)という分類をし、その中でもギバーが成功を収めるという成功する方法を示している。 短期的にはテイカーの方が成果を出すが、最終的にはギバーの献身的な姿勢が周囲の共感や協力を生み大成功する、といったようなお話。

交渉が苦手なギバーは、「自分のためではなく、他の誰かの代理人として振る舞う」とうまくいく、ということが参考になった。
身近な誰かの利益を守るために動く時、ふだん押しの弱いギバーも強気で交渉していける。

ポイント要約

  • 天才はテイカーに、天才を育てる人はギバーになる傾向がある。テイカーは自分の意見に絶対的な自信を持っているので、普通の人なら創造力を抑え込まれてしまう「社会的な承認」に縛られることがない
  • 自分の知力にだけ頼った、一見個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分で理解している以上に他の人々の協力にかかっている
  • ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。頼り合うことは強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている
  • 心理学者エドウィン・ホランダー「信用口座」では、たいていの人はマッチャーで それぞれが「信用口座」を持っている。信用があるとグループの規範や期待から外れても良い。 ギバーとして信用を得ると、ちょっと大胆で挑戦的なアイデアを出しても、周りに特別に認められてしまうことが研究で明らかになっている
  • 自分がした貢献の方が他人のそれより多いと考えてしまうことを「責任のバイアス」という。お互いに自分の貢献度合いを過大評価している
  • これを防ぐには、自分自身がやったことを評価する前に、相手がしてくれたことをリストにするだけでよい。
  • 駆け出しではまわりの人が自分の成功の障害に思えてしまうが、意外と狭い業界での自分の評判も良くなるので応援するに越したことはない
  • 弱さをさらけだすことで、ギバーは信望を集めている。ただし、弱みを見せても効果があるのは、周囲の人々に有能だと認められている場合に限る。
  • 交渉上手はかなりの時間を費やして、「相手側の視点」を理解しようとする。発話の中で質問の割合が多い。
  • 誰かに計画や意図について尋ねると、その人がそれらの計画や意図を実際に実行に移す可能性が高まる
  • 知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司の受けがいい
  • ギバーを悩ませる罠「信用しすぎること」「相手に共感しすぎること」「臆病になりすぎること」。相手の気持ちを考えるのではなく、相手が考えていることを推察することが自衛につながる
  • テイカーへの対処法として、利己心を刺激してやればいいい反応を示す。テイカーが持つ権力・地位・望み、業績への欲求に訴える
  • 自分のためではなく、他の誰かの代理人として振る舞うと、ギバーは自己イメージと社会的イメージを保ったまま交渉を進めやすくなる
  • 人は、帰属意識と特異意識の両方を与えてくれるグループでより幸福を感じるという。こうしたグループを非常に誇りに思い、強い愛着を抱くと共に、自分が評価されているとも感じる

ランチェスター戦略「営業大全」(おすすめ:★★★)

ランチェスター戦略「営業」大全

ランチェスター戦略に基づき、それを営業活動に活かすための具体的な方法を項目ごとに解説している。 ランチェスター戦略そのものの解説もさることながら、営業の一般的な知識も触れられており、営業経験のない自分にもとても勉強になる内容だった。

ポイント要約

  • 弱者の戦法(1対1で顧客と向き合う、最終顧客との関係強化、一点集中による量の優位、狭い市場で戦う、効率重視の強者が参入しづらい仕事)弱者は差別化x接近戦x集中で戦え
  • Missionは企業のありかた(社会的意義)を差別化する。見た目は真似できても生き様までは真似できない
  • 一番を目指さなくてはいけない。二位以下の場合は、地域・商品・客層などを部分化して一点集中で一位を目指す
  • グーパーチョキ理論。導入期はグーの戦略(一点突破)、成長期はパーの戦略(急拡大)、成熟期はチョキの戦略(最適化)
  • STPマーケティング。市場を細分化(Segmentation)し、参入するセグメントをひとつ選び(Targeting)、競争優位性を築く(Positioning)こと。ライバルとは異なる切り口で市場を括ることがポイント
  • 弱者は強者が後回しにするような二番手、三番手の都市圏を狙うと良い。強者とは逆で、点、線、面の順に次第に中心地に向かうように攻める。
  • 顧客数、総需要、競合の数・拠点・売上・シェア、地域の統計情報(定量・定性)などを収集、分析し商圏分析を行う
  • 見込事業と受注事業がある。両事業には良し悪しがあるので、自社のその構成比によって中期的には受注事業の安定性や見込事業の収益性を取り入れるべき
  • 商談では、挨拶や世間話などの場づくりの導入から始まる。商談とは対話。顧客に言われたこと、営業員が見聞したこと、営業員が感じたことの3点をまとめる。

しょぼい起業で生きていく(おすすめ:★★★)

しょぼい起業で生きていく

何もない状態からでも起業はできる、ベリースモールスタートで始めることの大切さを教えてくれる。 SNSなどのネット上での発信が不可欠になってきそうだ。

ポイント要約

  • 学生が通学時に実家の野菜を運べば、単なる移動が輸送になる。いつもやっている行為をお金に変えることを「生活の資本化」と呼び、しょぼい起業の基本。
  • 事業はアイデアから入るというより、人とのつながりや置かれている環境などの条件から、自分ができそうなことを発見して事業化していくもの
  • 初期は売上が出ているかより、全ての資本(店舗の開店時間、来客数、商品回転率、車やスタッフや自分の稼働率)が眠らずに動いているかが重要